有効求人倍率は、その業界の重要と供給で決まります。したがって人材が溢れ、就労希望者が溢れている業界もあれば、人材不足が深刻化している業界もあります。
人材不足が深刻化している業界の1つは、介護業界です。2025年問題があるように、高齢者が増加し続けています。この影響で、介護施設や訪問介護を必要とする方は、この先も増加すると考えられています。しかしその一方で、介護士になる若者は減っているのが現状です。肉体的にも精神的にも辛いイメージが先行しているのが理由でしょう。介護業界では中高年の採用を積極的に行っていますが、若い人材を増やさないことには、現役スタッフの平均年齢は上がる一方になるので、このままでは負のスパイラルから抜け出せません。そのため、この問題を解決するためには、介護士のやりがいを若者に伝え、少しでも多くの人材確保をしなければなりません。また、外国人ヘルパーを積極的に採用する対策も必要でしょう。
それから、人材不足が深刻化している2つ目の業界は建築業界です。建築業界は、2020年オリンピック開催による高層マンションの増加や、増税対策で建て替えをする住宅が増加しています。しかし、その影響で、現在人手不足が問題になっています。これは、とび職や大工などの直接建築に関わる職種から、土木などの関連職種も合わせて言える傾向です。この影響で一人当たりの負担が増え、過労死や過重残業など、新たな問題の原因にも繋がっているようです。建築業界も介護業界と同じく、他業種からの人材確保や外国人労働者の増加などを促進しなければ、必要とする人材を確保することは難しくなるでしょう。